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世界にたったひとつのモノ

 

 

我が父《忠臣》率いるホンダ家には、『プレゼント』という言葉は皆無である。

 

 

バースデーパーティーなど1度として開かれたこともなく、

クリスマス・イブなど『肉じゃが』すら出てくる始末である。

 

 

そんな私たち兄弟は一度として疑問に思った記憶もなく、母から聞いた、父は洋物が嫌いという言葉で納得するような出来た子達なのである。

 

 

 

そういえば・・・巨人の熱狂的なファンである父は、何故かクロマティには罵声を浴びせていた。

 

 

そんな構え方しとるから打てんのじゃっ!! 』・・・と。

 

駒田にも同じような罵声を浴びせていたが・・・。

しかし種田には、巨人ではないので特別の関心は持たなかったようだ。

 

 

 

 

 

話は逸れましたが、それくらい父の存在は絶大であった。

 

 

そんな父から先日いきなり『贈り物』が届いた。

 

 

 

・・・。

書である。

 

 

うちの父は腰を故障してから、社会人野球を引退し、自宅で何故か書道に青春を注ぎ始めた。

暇さえあれば書いていた。

それはそれは、1時間以上かけて専門店に紙を買いに行くほどである。

 

 

ふと思う。

そういえば、何かを買ってもらった記憶がない・・・。

 

 

そして私も、プレゼントを買って贈るのが好きではない。

贈るのであれば作って贈りたい、書いて贈りたいと思う。

大切な人に送るのであれば、『世界に2つとないもの』を贈りたいと思う。

 

 

ここ最近、色々なものが見えるようになったように感じる。

それを父は教えたかったのかもしれない・・・

家族の主人になって、オーナーになって初めて気づいた今日この頃である。

 

この父からの書もまた、先日の来島(※父 来たる参照)を経ての私へのエールなのであろう。

 

 

本当にありがたい。

 

世界でたった一つのもの・・・贈り物とはこうあるべきである。

 

 

 

 

でもさ父さん・・・

 

 

 

 

これなんて読むのさ・・・。

 

 

 

以上